MT4のスワップの計算方法は次の 4つがあります。
① スワップポイントによる計算。
② 基軸通貨による計算。
③ 金利による計算。
④ 決済通貨による計算。
ここでは、現在使用している MT4が①~④のどの計算方法を採用しているかを確認する方法と①~③の各計算方法について解説します。④の計算方法については管理人はこの計算方法を採用している MT4に出会ったことがないので省略させて頂きます。
スワップ計算方法の確認
現在使っている MT4のスワップの計算方法は次の作業で確認できます。
MT4画面「気配値表示」で右クリック「仕様」をクリック。
「スワップタイプ」の行に使用している MT4の計算方法が記載されています。
「買いスワップ」と「売りスワップ」の行には「スワップタイプ」に対するスワップ額を計算するための値が記載されています。
また、これらはMarketInfo関数でも取得することができます。MarketInfo関数では各計算方法に応じて 0~3の値が得られます。次表を参考にしてください。
各表示は次の計算方法に対応します。
計算方法 | 表示内容 | 値※ |
---|---|---|
① スワップポイント | ポイント | 0 |
② 基軸通貨 | USD (基軸通貨コード) | 1 |
③ 金利 | パーセント表示 | 2 |
④ 決済通貨 | JPY (決済通貨コード) | 3 |
※MarketInfo(Symbol(),MODE_SWAPTYPE)関数で取得できる値。
スワップ(円)の計算方法
各計算方法の例として、(例1)で対日本円の通貨としてUSDJPY、(例2)で対日本円以外の通貨としてEURUSDの 1万通貨あたりの買いの「スワップ(円)」を求めます。
各計算方法の数式と計算の定義
数式の定義
上記の「スワップ計算方法の確認」で取得した値(スワップ値)を使って①~③の方法で計算します。①~③で使われる各数式の定義は次のとおりとします。
スワップ(円) | : | 計算するスワップ金額です。日本円換算した結果です。通常は 1万通貨あたり 1日に付与される金額を表示します。 |
スワップ値 | : | 「スワップ計算方法の確認」で取得した「買いスワップ」または「売りスワップ」の値です。 |
Point | : | 対象通貨ペア価格の最小値です。この値は Point関数で取得することができます。 |
通貨量 (Lot数) | : | ここでは 1万通貨として計算します。通常※MT4を採用しているFX会社の Lot数(ロット数)は 1万通貨 = 0.1Lot になっています。(※例外もあります) |
基軸価格(円) | : | 基軸通貨を日本円に換算した値です。 |
決済価格(円) | : | 決済通貨を日本円に換算した値です。決済通貨が日本円(JPY)の時は「1」が使用されます。決済通貨が日本円(JPY)以外の時は、各国の通貨を日本円レートに換算します。 |
通貨価格 | : | 対象通貨ペアの価格です。決済通貨コードの単位で表示されます。通貨価格は、 通貨価格 = 基軸価格(円) ÷ 決済価格(円) が成り立ちます。 例えば、 対象通貨ペア:EURUSD = 1.1ドル/ユーロ、基軸通貨:EURJPY = 154円/ユーロ、決済通貨:USDJPY=140円/ドル は、 EURUSD = EURJPY ÷ USDJPY 1.1ドル/ユーロ = 154円/ユーロ ÷ 140円/ドル が成立します。 |
計算の定義
計算例で使用する通貨ペアと価格
ここで使用する通貨ペアとレートは次のとおりとします。
USDJPY = 140 円 /ドル
EURJPY = 154 円 /ドル
EURUSD = 1.10 ドル/ユーロ
数値の丸め
小数点以下の数値の丸めは FX会社ごとに違います。四捨五入をしているところもありますが、多くのFX会社は、スワップがプラスの時は小数点以下は切り捨て、スワップがマイナスの時は小数点以下は切り上げになっています。
①~③の計算例は同様(プラス切捨、マイナス切上)の数値丸めをしています。
① スワップポイントによる計算
計算式
スワップ(円) = スワップ値 × Point × 通貨量 × 決済価格(円)
(例1) USDJPY【対日本円の場合】
買いスワップ値 = 16.9、Point = 0.001 の時
スワップ(円) = 16.9 × 0.001 × 10000 × 1
スワップ(円) = 169 (円)
(例2) EURUSD【対日本円以外の場合】
買いスワップ値 = -5.9、Point = 0.00001 の時
スワップ額(円) = -5.9 × 0.00001 × 10000 × 140
スワップ額(円) = -83 (円)
② 基軸通貨による計算
計算式
スワップ(円) = スワップ値 × Lot数※ × 基軸価格(円)
※この計算は Lot数あたりのスワップ額を求めます。例えば、1Lot=10万通貨の場合、1万通貨は0.1Lotになるので、1万通貨あたりのスワップ額を計算する場合は以下のようになります。
(例1) USDJPY【対日本円の場合】
買いスワップ値 = 15.02 の時
スワップ額(円) = 15.02 × 0.1 × 140
スワップ額(円) = 210 (円)
(例2) EURUSD【対日本円以外の場合】
買いスワップ値 = -5.61 の時
スワップ額(円) = -5.61 × 0.1 × 154
スワップ額(円) = -87 (円)
③ 金利による計算
計算式
スワップ(円) = スワップ値 ÷ 100 × 通貨量 × 基軸価格(円) ÷ 360
※「100」はスワップ値を100分率にするものです。最後尾の「360」は 1年間分の日数です。1年間は360日として計算されます。
(例1) USDJPY【対日本円の場合】
買いスワップ値 = 5.38 の時
スワップ額(円) = 5.38 ÷ 100 × 10000 × 140 ÷ 360
スワップ額(円) = 209 (円)
(例2) EURUSD【対日本円以外の場合】
買いスワップ値 = -1.7 の時
スワップ額(円) = -1.7 ÷ 100 × 10000 × 154 ÷ 360
スワップ額(円) = -73 (円)
各FX会社のスワップ計算方法
参考までに各FX会社が採用しているスワップの計算方法を記載しておきます。
計算方法 | MT4使用FX会社 |
---|---|
① スワップポイント | フォレックス・エクスチェンジ (俺のMT4) 楽天FX XMTrading |
② 基軸通貨 | ゴールデンウェイ・ジャパン (FXTF) |
③ 金利 | 外為ファイネスト アヴァトレード・ジャパン |
楽天FXは MT4上にスワップポイントを表示させていないので MT4上での確認やMarketInfo関数での取得ができません。楽天FXのスワップ額はHP上で確認することができます。